抗議文
2022年4月6日
農林水産省 畜産局 宛
家畜衛生関連 防疫部 関係各位
JPPA(日本養豚協会) 会員
元豚コレラ清浄化実行委員会 事務局
ピッグスペシャリスト 山下 哲生
東京都渋谷区元代々木町54-1東京セントラル代々木703
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絶望的な「豚熱対策の無策」が日本の養豚産業を衰退させ!無理やりの意味のない殺処分で豚達ばかりではなく!基底を支え続けていた養豚家の命まで奪いはじめている。
かつて、1994年に始められた豚コレラ撲滅体制構築事業においては、賛成反対官民上げての養豚産業をどう守り発展させるかで激しい論争が上ったとともに、時間はかかったが一歩前に進もうという判断で、とにかくも豚コレラワクチン接種は中止された。
また、発生に伴う殺処分豚に対する補償は、通報が手順通り行われれば、100%補償されるとされており、これが、最近の発生農場における早期通報となっている。
しかし、畜産は機械で物を作るのではなく生きる家畜を大切に育て命のリレーとして出荷を通じ消費者に還元する使命を担うものである。
現場では理に合わない殺処分が現場の生産者、関係者、衛生関係者を苦しめている。ついには、まじめな生産者を追い詰め犠牲をしいるにいたっている。これまでの殺処分は、30万頭にのぼり、この殺処分費用は埋却処分含め発生以来、300億近い税金が投入されている。
それでも、「上のほうからの」対応は今回の養豚家の命まで奪うような政策判断ミスに対し、「話を大きくしないよう 荒立てないように」とゆう「御触れ」がどこからか流れ これはどこかの国のおこなっている プロパガンダ と同質のもので黒を白と言いくるめようとするものである。
豚熱=豚コレラの問題に長年かかわり、自農場をワクチン接種で閉鎖廃業に追い込まれ、現に少数でも種豚を持っている生産者の一人として声を挙げ、「常識から導き出される」政策の転換を求めるものである。
1.殺処分する必要のないワクチン接種済みの豚に対する殺処分は、発症豚、未接種、接種後2週間以内の豚を除き即時の殺処分対象からはずし、21日~28日以内の経過観察、PCR、中和抗体の検査を経て通常の生産システムにかえす。発生農場の豚の全頭殺処分は、豚熱接種地域においては生産者、関係者に負担をかける非科学的な時代遅れの悪政策
発生農場の生産者、関係者が考えるのは、理屈に合わないワクチン接種済みの豚に対する殺処分で特に長年育ててきた農場の種豚群まで一律に殺余分対象とすることへの疑問である。
日本で使われている豚コレラ生ワクチンは、接種後5日ほどで中和抗体が上がり感染、発症の可能性がなくなることが広く知られている。(豚のワクチン 木香書房1993年)
つまり、ワクチン接種で抗体が上がり感染可能性がなくなっても、生理的に患畜、擬似患畜になりえない豚も家畜伝染病予防法防疫指針第5条の2「患畜、擬似患畜とは、発生農場の家畜である」との規定で殺処分されている。
これまでの殺処分対象の農場に隣接、近接している農場でも、ワクチンが接種されている経営が異なる農場であれば制限区域外とのことで、3日ほどで出荷が再開されている。また、77例目で宮城の種豚場での発生では擬似患畜として農場外に発生日21日前に出荷されたワクチン接種済みの子豚、種豚、あるいは精液を受精された出荷先の種豚も、有無をいわせず擬似患畜として殺処分とさた。指針の文脈では移動先の農場の豚すべてが、擬似患畜となり殺処分対象となるはずだが、なぜか経過観察で、移動禁止がなされたぐらいで、問題とされていなかつた。
これは、無実の罪なのにそこにいたからとゆうだけで死刑を執行するのと同じではないか?
国は、この防疫指針の基になる家畜伝染病予防法2条3で、「国は、最新の科学的知見並びに家畜の伝染性疾病のわが国及び外国における発生状況及び動向を踏まえ、家畜の伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に関する施策を総合的に策定し、及び実施する・・・」としている。
ワクチン接種後日時が立った症状を出さない豚は殺処分ではなくPCR、中和抗体などの検査を経て21日~28日の経過観察で殺処分の是非を検討すべきである。すくなくとも予防的殺処分は、離乳子豚の段階で農場を空にする「ジェノサイド」(無差別殺戮)であり、養豚産業をますます衰退させるものである。
2.50年以上前に開発されたモルモットの臓器を用いた国内生産のGPE株豚コレラ生ワクチンは、製造企業も少なく供給に余裕が無いことで生産者の望む2回接種、あるいは、養豚最大生産地域九州での接種が確保できないと聞く。
海外では、遺伝子組み換えでのたんぱく質合成によるものや、植物培養での豚コレラワクチンの生産もできるようになってきている。また、豚コレラワクチンの「株」の製造には、中国由来のチャイニーズ、フランス由来のチウェルバ、日本のGPEの3系統がある。先ほど述べた海外の最新治験について、農水省は無視し続けている。人間に対するコロナウィルス感染症では効果があり手に入るものは何でも治験無しでも入れ早期の収束に努めている医療行政と間逆である。
世界の主流は、遺伝子組み換え、培養などの手段で低コストで効率的なワクチン生産に進んでいるが、日本では沢山のマウスの内臓を使い生物的に培養する動物製剤の手法でつくっている。筆者は細々だが、豚の生産にタッチしているが、最近でも豚熱ワクチンを打っても
抗体価が上がらず、仕方なく2回接種してやっと抗体価が上がり証明ができたとゆう経験もしている。他にも、打っても抗体価があがらない。ワクチン自体の効果がさがっているのではとの話もでている。
今回の日本で感染力をもっているウィルスは、中国に起因するウィルスと分類されている。日本株で作られたGPEでも予防効果はあるとされているが多小なりとも変異の可能性がないのか?とにかく開発してから50年以上経過しているもっと積極的に検証試験を行いかつ供給力やVIDAも出来る遺伝子組み換えによるマーカーワクチンの積極使用をおこなえば、4年も続く殺処分の悲劇を解消できるのではないでしょうか
3.EU、韓国で開発済みで実績のある遺伝子組み換えによる豚コレラマーカーワクチンの使用を、感染防止の有力な武器として「例外規定」でその使用を考えよ。
豚熱生ワクチンをEUのゾエティス社、あるいいは韓国のCTCVAC社のマーカーワクチンに変えれば、豚熱感染が成立した場合、それが野外のイノシシからの感染か、それとも、ワクチンに起因するものか、抗体識別ですぐにわかる。
農水省の動物衛生研究所では、ゾエティス社のワクチンを試験し、豚コレラ防止効果はあるが、野外感染との識別DIVAは、認められないとした。しかし、試験に用いられた豚がわずか4頭で全部から識別結果が得られなかったからとゆうのが識別効果無しとした根拠?でした。専門獣医に問い合わせしたところ、まず、こんな少頭数で結論付けるのは無理がある。検査試薬も20ぐらいあるのに4つぐらいでしか使用していない。試薬、手順のミスなどが重なればいくらでも結果はかわるとのことであった。
まず、野外感染かワクチン感染かがわかれば、それだけで、絞込みが容易で、感染経路がわかる。現在の野外感染か自然感染か判別できない段階では、すべて、自然感染とされ、イノシシからはじまり、ネズミ、野生動物、ハエ、猫 さらには、野鳥、野鳥が止まった屋根からの雨水まで、あらゆるものが感染源と想像される。まさに防疫の手段がゼロとなり、家畜をストレスから解消する放牧などもってのほかとなり 閉鎖的な無菌工場のようなウィンドレスでしか豚は飼えないことになる。また、発生はすべて生産者が重箱の隅をつつくような対策をしていても すべて発生すれば衛生規則を守らず、そこからの逸脱とされて行政の政策は問われることはない。
お隣、韓国では自主開発した豚コレラマーカーワクチンは遺伝子組み換え技術を用い合成生産され現場作業とコスト削減もかねて豚丹毒との混合ワクチンとして販売されている。このワクチンは、日本のマウス由来のGPE生ワクチンよりも、安くかつワクチンショックも無く、出荷が7日は早くなっている。
CCTVA社は、韓国で発売以来3年で市場の20%程度のシェアーを占め経口ワクチンとしても広く使われている。しかし、日本の家畜衛生当局は、韓国と日本では、検定体制、手法が違うので受け入れが出来ないし、検討することもないとゆう。その一方で国内マーカーワクチンは、開発し始めているが、15年ほどかかるだろうとゆう現場の無視の絶望的で無責任な答弁をしている。
韓国では、アフリカ豚コレラ発生下でも豚コレラの発生はこの5年ほど農場発生はなく経口ワクチの成果で野外感染も発生していないそれどころか防疫体制を固めむしろ飼養豚数は増やしている。
結語
今の豚熱対策では、生産者にとり希望が見えるものはまつたく無く、発生すれば衛生規則を遵守、あるいは厳守しなかったためとされ責任を追求される。殺処分に対する「補償がある」とはいえ、それらは、これまでの「命のリレー」としてまじめにやってきた行為そのものを否定し、国民の税金の浪費となるものである。また、感染拡大を抑える為とする接種地域での接種済みの飼養豚に対する殺処分にも家畜衛生当局はまるで具体的な対策、見解を出してきていない。まして、海外の最新治験 技術情報も検討せず50年以上たったGNP生豚コレラワクチンに固執し豚熱防疫をゆるくしている。
このような家畜防疫政策の下では、間違いなく日本の養豚産業は自壊していく。
今回の抗議文と提案に対し 真摯な回答がでれば そこに 希望の道は開けると考える。
*韓国の豚コレラ、およびマーカーワクチンに関する情報については、私の下記のホームページのコラムを参考にしていただきたい。
www.pigjapan.com
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