北の大地の放牧養豚
山地放牧養豚の可能性を見据える北海道幕別町「エルパソ牧場」
北海道の農地は、ただただ広大です。そして、地球温暖化の影響もありその農業生産はより重要性を増しつつあるようです。広い土地を利用した大型農業で大型機械、大規模圃場、GPSを利用した耕作など、本土ではその利用が耕地の狭さから制限されたものが、北海道では、欧米並みに使われようとしています。
NPO法人 日本放牧養豚研究会代表の山下が日本でも規模では最大と思われる「エルパソ牧場」を6月、7月の2回訪れ、現場を観てきました。広大な山河を利用した放牧を紹介したいと思います。詳細は、放牧養豚研究会の会報でも紹介してゆきたいと思います。
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広い敷地の山々は、6区画の牧区に分けられ仕切られています。山の草は、豚さん達の鼻=ブルドーザーにより、きれいに、剥ぎ取られ地肌が出ています。
小山の頂上には、鐘が設けられ、これが鳴らされるとなぜか四方から豚さん達が集まってくる。
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牧区は、導入月ごとに分けられ、1牧区80頭前後で、日齢がなるべく同じになるように分別されています。ここから、毎週20頭前後が出荷されています。
丸いのは野外用の餌箱で、トランスバックで、大型重機で、餌は運ばれています。
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大型の野外放牧用丸型餌箱
餌はトランスバッグに入れられた配合飼料で、一度に500kg程度の餌が入ります。丸型なので一度に多くの豚たちが採食できます。
土がマジらないように、ベースには、コンクリートが使われています。
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牧区の全景
牧区内には屋根付の休息用の畜舎が設けられ雨のときや夜間はそこでやすみます。
昼間は、野外で寝転んだり周囲を歩いたりして過ごします。
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崖に掘った穴で休む放牧豚
本能に従い自分の入るだけの穴を掘ってそこで休んでいます。
自然環境下のイノシシもこのような過ごし方をしていると思います。
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給水は、場内を流れる沢での飲水でまかなわれます。
通常の給水器はありません。ところどころには、出し放しの給水場所が設けられ、ホースから水が出っ放しになっており、使われない水は、沢にそのまま流されます。土地は、黒土に覆われていなすが、沢は澄んでいます。
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種豚は、ケンボロー、ハイポなどですが、ドイツからシュベビッツという放牧用の種豚を輸入、これが20頭ほどいます。臀部が黒いのがこの系統の豚です。全部で60頭程度の種豚がいますが、肉豚生産用の子豚生産は、自農場ではまかないきれません。
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子豚は、自家生産以外に月に100頭程度、子豚舎に導入されます。
導入される豚は、ケンボローの子豚が大型農場から導入されています。導入後しばらくは、畜舎内で飼われ体重を増加させ50~60kg程度になってから山地の野外放牧場に放たれます。
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分娩舎での授乳豚と哺乳子豚達
ワラを敷き詰め、平飼で変われます。熱源はヒートランプとガス暖房機、それと体感温度を上げるワラがしつかり敷かれ、子豚を寒さから守っています。
母豚も、子豚を大事にしてつぶさないようにしています。
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分娩舎は、1カ月分の10豚房準備されています。
この分娩舎が2棟あり、分娩2カ月分がここに収容されケージではなく平床での分娩となります。
母豚は自由に動き回れますが、子豚が逃げられるガードバーが周りには、めぐらされています。
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エルパソ牧場の豚は、「どろぶた」のブランド名ですでにスタートしてから10年以上がたっています。
肉の評価も決まり、「供給が間に合わない」状態。「どろぶた」は、すべて自家用で引き取り直営レストランのほか、特定の量販店に「どろぶた」ブランドで売り切っています。
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入口に掲げられている、ドイツの放牧豚シュヴェービッシュの看板。エルパソの平林社長のも描かれている。
後ろの山々が使われている山地が牧区となる放牧地 見学者が多く訪れている。
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