「暑さと 遺伝 雄の選抜」
この猛暑で、全国で70万羽を超える採卵鶏の熱死が伝えられている。
牛豚1700頭という報道も今月の半ばには、あった。
これは、おそらく、家畜共済などにたいする、保険の請求からの類推だと考えられるので実際はもっと大きな数字となるであろう。また、8月末にかけて暑さはより大きくなったので、更に問題は深刻化しているであろう。
このような中で、雄豚のヒートストレスからの精液の異常、雌の不受胎などが盛んに報告されているが、意外と「黒豚」では、この暑さの影響が少ないようである。
黒豚は、沖縄、鹿児島といった暑い地方で飼われてきたからともいえるかもしれない。
この暑熱期でも、種付けは、餌を給与した後の午前10時からという「黒豚農場」を訪れたが、暑いさなかでも平然とメスに乗る 元気な黒豚の雄豚達をみることができた。
農場主によれば、雄でも暑さに強い豚は黒豚では、いくらでもおり、種豚の選抜でも、この暑さに強い雄を選んできたので、夏場でも問題ないという。
そういえば、今ではあまりみないが、ハンプシャーというイギリスで生まれアメリカで増殖改良された純粋種の豚がいたが、特に夏は、成績が落ちて日本ではほとんど使われなくなったことを思い出した。
雄の選伐基準に「暑さに強いこと」を入れるべきかもしれない。