太鼓腹 パートU 乾物摂取ということ

 

 このコラムで「太鼓腹」が子豚の健康と発育増進に大いに役立つということを書いてきた。その後、「太鼓腹」方式にしてから、事故が大幅に減った。 成長が回復した等の 報告を受けて、この飼養方式に対する 確信を強めたが、なぜ生理的にそうなるか 今ひとつうまく説明ができなかつた。

離乳期の子豚の栄養生理に関する本を読んでいて、ようやく、理解が進んだことが一つあった。

それは、小腸内の栄養を吸収する粘膜絨毛の発達が、小腸内を通過した、乾物の量に比例するという研究であった。前にも指摘したが、繊維分を含め、小腸内に入ってきた餌は、粘膜絨毛を刺激しその伸びを刺激する。反対に、ウィルス 感染菌などは、よってたかって、この絨毛を破壊し、下痢を引き起こさせる。この伸びと破壊のバランスの上に、子豚の健康が維持されている。

解るであろうが、離乳直後のドライな餌の喰い止まりは、この粘膜絨毛を減少させる。ミルク(液状)の給与は、これを緩和はできるが、摂取した、ミルクに含まれる乾物量は、20%程度である。離乳直後から乾物を自主的に摂取させることが大切なのである。

「太鼓腹」システムは、これに合致した 餌給与システムである。