よい「ウンチ」を造ろう。

 

今年の養豚業界を疾病面で振り返ると、呼吸器系が主だった病気の発生が、消化器系に移りつつあるのではないかということです。

また、消化器系 + 呼吸器系の W感染もめだちます。

消化器系の病気は、以前は、TGE(伝染性胃腸炎)などのウィルスに起因する急性のものが、恐れられていました。ところが最近話題になるのは、日和見(ヒヨリミ)感染といって、特に腸内に定在していた大腸菌の一種が異常に増殖し、毒素を発生、発症するというケースです。症状として、下痢が発生することが良く見られます。

下痢は、一面体内から、「体調を崩す悪玉菌を排除しようとする生理的な浄化作用」ですが

その過程で、かなりのダメージを与えます。

逆に、このような 悪玉菌を増殖する前に体外に出す作用をしているのが、通常の排便=ウンチなのです。これは、豚舎の防疫の基本である水洗消毒を思い浮かべてください。排便は、いわば、水洗です。いくら、消毒液を撒いても、厚く堆積した糞塊がのこっていれば、効果がありません。この水洗の役目をするのが、ウンチで、餌のうちその主要な役割を果たすのが、繊維分なのです。

養豚現場では、出る糞の処理を促進する面でも、消化率の良い=排糞量の少ない餌がもてはやされてきました。ここらへんにも、消化器系の病気が増える原因があるようなきがします。ポツテリした、良いウンチを造るべく努力をしてみましょう。